あらすじ
ISBN: 9784198912871ASIN: 4198912874
終戦直前、帝国陸軍がマッカーサーから奪った時価二百兆円に上る財宝が極秘裏に隠匿された。それは、日本が敗戦から立ちあがるための資金となるはずだった。そして五十年後、一人の老人が遺した手帳がその真相を明らかにしようとしていた―。終戦時の勤労動員の女生徒たち、密命を帯びた軍人など、財宝に関わり、それを守るために生き、死んでいった人々の姿を描いた力作。心地よい感動があなたを包む。
浅田次郎氏の真骨頂である、歴史の深淵に埋もれた個の叫びを掬い上げる叙情性が、本作では極限まで高められています。財宝という壮大な仕掛けを軸にしながら、真の主題は日本の未来を信じて散った少女たちの純真さと、その遺志を背負い続けた者たちの孤独な矜持にあります。文字から立ち上る凄烈な美学は、読者の魂を激しく揺さぶります。 実写映画ではそのスケール感と儚さが視覚的に刻まれますが、原作の醍醐味は、行間に漂う語られぬ者の執念にあります。映像が提示した答えを超え、読者の想像力の中で真の誇りが輝き出す。メディアを横断することで、五十年という時の重みがより多層的な感動となって迫ります。
