あらすじ
【時代小説SHOW 2025年時代小説ベスト10文「文庫書き下ろし部門」🏆第1位🏆!】【「井原戦国三部作」新シリーズ!】
真田昌幸の家臣だった鈴木主水は、名胡桃城事件の責任を取って立ったまま切腹して果てた。その正妻・志野も夫の後を追って殉死。遺児である鈴木小太郎には、真田家家臣団から厳しい目が向けられていた。
真田信幸に仕えることとなった主人公・鈴木小太郎(のちの鈴木右近)は、父母の無念を晴らすべく、怨敵・中山九兵衛を追う。恩義ある真田信幸夫妻への忠誠と両親の仇討ち、二つの本懐を全うしようとした右近が貫いた「純情」とはーー。
「三河雑兵心得」「北近江合戦心得」シリーズに続く「井原忠政戦国三部作」となる「真田武士心得」シリーズが堂々の開幕!
叔父の裏切りで全てを失った鈴木右近。心に誓ったのはただ一つ、両親の無念を晴らすための復讐だった。孤児となった彼を拾い、その成長を温かく見守る主君・真田信幸夫妻。主への忠義と仇討の狭間で、ひとりの若者が己の信義を貫くため、野太刀を振るう。激動の戦国時代を駆け抜ける男の、熱き魂の成長物語が今、幕を開ける!
鈴木右近、主君のためなら命も惜しくはない。
ただ、親の仇を討つまではーー。
序章 そもそもの始まりは聚楽第
第一章 本丸御殿の孤児
第二章 右近、右往左往する
第三章 犬伏の別れ
第四章 己が城を攻めるーー第二次上田合戦
終 章 長駆、関ケ原まで
作品考察・見どころ
井原忠政が描く本作の真髄は、歴史の濁流に呑まれながら「純情」を貫こうとする若武者の魂の震えにあります。名胡桃城事件という悲劇を起点に、主君への忠義と親の仇討ちという二つの情熱が火花を散らす様は、単なる武勇伝を超えた峻烈な人間ドラマへと昇華されています。 特筆すべきは、真田家という巨大な歴史の影で葛藤する一青年の内面への深い洞察です。犬伏の別れなどの転換点を個人の視点で再定義し、復讐心が真の信義へと変貌する過程を鮮烈に描き出しています。乱世で己を失わない誠実さの尊さを問う、この情熱的な成長物語こそが読者の心を震わせる最大の魅力です。