窪美澄
14歳の時に女児を殺害し、身を隠すように暮らす元「少年A」。少年に惹かれ、どこかにいるはずの彼を探す少女。その少女に亡き娘の姿を重ねる被害者の母親。そして環の外から彼らを見つめる作家志望の女性。運命に導かれるように絡み合う4人の人生は思いがけない結末へ。人間の深奥に切り込む著者渾身の物語。
窪美澄が描くのは、取り返しのつかない罪という深淵に囚われた者たちの、切実で生々しい「その後」の風景です。過去に縛られた元少年の孤独、彼に救いを求める少女、そして奪われた命に縋る母。それぞれの執着が絡み合い、逃れようのない運命へと収束していく筆致は圧巻であり、人間の業を真正面から見据える著者の覚悟が胸に迫ります。 特筆すべきは、凄惨な記憶の裏側に潜む「生への渇望」を、冷徹かつ慈愛に満ちた眼差しで掬い上げている点です。言葉が身体性を帯び、読み手の魂を激しく揺さぶる本作は、絶望の果てに微かな光を探し求める魂の記録です。閉塞した日常を打ち破る、文芸の強靭な力をぜひその肌で体感してください。
窪 美澄 は、日本の小説家。日本ペンクラブ会員。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。
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