太田垣康男が描く本作は、戦争の凄惨さと肉体の脆さを冷徹なまでに抉り出すハードボイルドな人間賛歌です。単なるロボットアクションに留まらず、ジャズの不協和音の中で魂を削り合う男たちの業を描き切っています。第26集に付随するダリルの過去編は、彼が失った日常の輪郭を鮮明にし、戦場にしか居場所を求められない孤独な魂の深淵を鮮烈に浮き彫りにしています。
映像化作品では音楽と動きが融合した疾走感が際立ちますが、原作漫画は静止画ならではの圧倒的な描き込みと、行間に漂う虚無感に真髄があります。特に紙媒体でしか味わえない重厚なトーンは、映像では描ききれない心理的な痛みを克明に補完しており、両メディアを往復することで物語の悲劇性はより一層の深みを増すのです。