リチャード・ウー
人が人を殺す深い快楽...すべては脳の中に。 警視庁捜査一課の管理官・鐘巻は、 連続殺人犯“写真家”を殺害した容疑で、 脳科学者・神宮を逮捕する。 神宮は「自分は何人もの殺人者“達”を創り出した」と 告白。そのリストと引き替えに、神宮の息子で 死刑囚・神宮正義の再捜査を要求する。 正義はかつて国家転覆を図ったカルト教団の教祖。 さらに神宮は、息子を逮捕した伝説の名刑事・油小路を 捜査に加えるよう迫る――― ここに、猟奇殺人を追う捜査室が誕生した!!
リチャード・ウー氏が放つ本作は、人間の「悪」を脳科学の視点から解剖する、知的興奮に満ちた心理スリラーの傑作です。人が殺人に至る快楽を脳の機能として捉え、殺人者を「創出した」と豪語する科学者の歪んだ情熱が、物語に底知れぬ恐怖を与えています。善悪の境界が崩壊していく様は、読者の倫理観を激しく揺さぶるでしょう。 特筆すべきは、伝説の名刑事と狂気の科学者という、相容れない異能たちが火花を散らす対峙の妙です。過去の因縁と未来の惨劇が交錯するプロットは、一文字ごとに熱気が立ち上るほどの密度を誇ります。深淵を覗き込むような心理描写が織りなす物語世界は、あなたの知的好奇心を極限まで研ぎ澄ますはずです。
長崎 尚志 は、日本の漫画編集者・漫画原作者・漫画プロデューサー・小説家。名古屋造形大学元客員教授。