あらすじ
●著者紹介
2019年、『絞首商會』で第60回メフィスト賞を受賞。
●主な内容
密室から忽然と消失した財宝の謎。
14年前の真実が明かされる
怒涛の30ページに目が離せない。
メフィスト賞作家、圧巻の純粋本格ミステリー!
「あたし、まえはサーカスにいたの」
大正14年。莫大な借金をつくった樺谷子爵家に、晴海商事からの使いとしてサーカス出身の少女・ユリ子が取り立てにやって来た。
返済のできない樺谷家は三女の鞠子を担保に差し出す。ユリ子と鞠子は、莫大な借金返済のため「財宝探し」をすることにした。
調べていくうちに近づく、明治44年、ある名家で起こった未解決事件の真相とはーー。
ISBN: 9784065243046ASIN: 4065243041
作品考察・見どころ
夕木春央が描くのは、大正の耽美な空気感と冷徹な論理が交錯する極上の世界です。本作の真髄は、サーカス出身の少女と没落名家の令嬢という、本来交わるはずのない二人が織りなす魂の共鳴にあります。不条理な現実を論理という武器で切り拓く彼女たちの姿は、時代の閉塞感を突き破る鮮やかな輝きを放っています。 物語の深淵には、過去と現在が二重写しになる鏡像構造が横たわっています。十四年前の事件に秘められた愛執が、精緻な推理で剥がされていく過程は圧巻の一言。単なる謎解きを超え、人間の業を炙り出す筆致は読者の心を激しく揺さぶります。驚愕の真実に辿り着いたとき、あなたは夕木ミステリーの真の虜になるはずです。