西尾維新の饒舌さと大暮維人の圧倒的画力が共鳴する本作は、怪異的な読書体験を提示しています。テキストの論理性を過剰なまでの視覚情報へと昇華させる手並みは圧巻。言葉が緻密な描線によって肉体を得る瞬間のカタルシスは、漫画という表現の枠を軽々と飛び越えています。
物語の本質は、青春に潜む心の空隙を怪異というメタファーで暴き出す点にあります。対話劇の形式を借りつつも、描かれているのは魂の救済を巡る熾烈な闘争です。読者はページを捲るたび、歪んだ現実と哲学的な深淵に引きずり込まれ、抗いようのない美しさに魂を揺さぶられるでしょう。