本書は、綾辻行人が「新本格」の革命を成し遂げた軌跡を辿る、濃密な知の記録です。単なる文章集を超え、一つのジャンルが確立される熱量を克明に写し出しています。稀代の術師がいかにしてあの緻密な迷宮を築いたのか。その設計図たる思考の断片が鋭利な筆致で綴られ、創作の深淵を覗く悦楽に満ちています。
後年の脚注と回顧録により、過去と現在が交錯する重層的なドラマが立ち現れます。虚構の裏側に潜む作家の執念に触れるとき、彼の小説が持つ魅力はより鮮烈に響き始めるでしょう。ミステリの歴史を体感できる、ファン必携の魂のクロニクルです。