時雨沢恵一/黒星紅白
「ボクは昔、一生海を見ることなく過ごすのかと思っていたよ、エルメス」キノが感慨深げにそう言うと、エルメスと呼ばれたモトラドが、軽い口調で返す。「まあ、この世界に住む、ほとんどの人がそうじゃない?」「そうだね。城壁の外に出る人の方が少ない。それは、旅をしてよく分かった」「もっとみんな、城壁の外に出て行けばいいのにねえ。この世界の人間は、どうも“ひきこもり”がちだよ」「“この世界”ってことは……、エルメスは、別の世界を知ってるのかい?」「さあ? そんなの、あるの?」「聞いたのはボクなんだが……。まあいいや。--」(「死人達の国」)他全10話収録。
黒星紅白 は、日本のイラストレーター。神奈川県出身、男性。長らく福岡県に在住していたが、現在は神奈川県在住。飯塚 武史 名義でも活動している。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。
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