葛木ヒヨン/関西リョウジ/矢立肇・富野由悠季/明貴美加
U.C.0096--ラプラス事変と呼ばれる、地球連邦軍とネオ・ジオン残党軍の衝突が終息へ向かうさなか、連邦・ジオンの区別なく任務を請け負う非公式傭兵部隊《アージェント・キール》に下された新たな任務は、連邦高官の暗殺。それは決して大きな作戦ではなかった。だがその仕事が、長く沈黙していたアージェント・キールの存在を揺るがし、幻影として隠されてきた真実を掘り起こしていく。
本作は、宇宙世紀0096年を舞台に、境界線上の傭兵たちが抱く葛藤を鮮烈に描いています。正義の虚飾を剥ぎ取り、非公式という「幻影」の中に宿る真実を問うテーマは、ガンダムという壮大な神話に新たな哲学をもたらしました。葛木ヒヨン氏の緻密な筆致が、戦場を生きる者たちの魂の焦燥を情熱的に浮き彫りにしています。 VR映画版との対比も実に見事です。没入感を追求した映像に対し、本書は心理描写の深淵を丹念に掬い上げています。映像が「戦場の熱量」を体感させるなら、紙幅に刻まれた言葉は「物語の納得感」を担保する。両者を往復することで、読者は重層的な物語体験の極致へ誘われることでしょう。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。
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