近松門左衛門
大坂は曽根崎の森で実際にあった心中事件に材を取った「曽根崎心中」、数々の名文句でも知られる梅川・忠兵衛の「冥途の飛脚」のほか、「卯月紅葉」「堀川波鼓」「心中重井筒」「丹波与作待夜の小室節」「心中万年草」と近松世話浄瑠璃中の傑作7篇を収めた。いずれも舞台の動きが充分に理解できるよう脚注等に工夫がこらされている。
近松門左衛門が描くのは、義理と人情に喘ぎながらも極限の愛を貫く、人間の猛々しいまでの純粋さです。特に「道行」の七五調のリズムが生む音楽的叙情性は、単なる心中物語を超え、死を至高の美へと昇華させる文学的奇跡といえるでしょう。 映像化作品では洗練された様式美が際立ちますが、原作の言葉には、社会の底辺で生きる人々の情念が生々しく宿っています。活字で魂の葛藤を深く味わい、映像でその視覚美に酔いしれる。その往復こそが、近松が仕掛けた不朽の人間讃歌を解き明かす唯一無二の体験となるはずです。
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実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。