DelanySarahLouise
セイディ(103歳)とベシィ(101歳)姉妹の自伝的物語は、歴史教育にも使われ全米ベストセラーとなった。19世紀末のアメリカ南部に生まれた二人は、幼年期に奴隷であった父親、白人と見間違えられた母親、そして八人の兄弟と妹に囲まれて育つ。やがてセイディはニューョーク市立高校の最初の黒人教師、ベシィは同市で二人目の黒人女性歯科医として身を立てた。二人の語りには、デレイニィ一家は勿論、黒人指導者ワシントンやデュボイス、時代の波にもまれた俳優ロブソン、若者の心を捉えて離さないマルコムXなども登場する。そして、奴隷制社会における意外な人間関係、幼年期に味わったジムクロウ法の屈辱、20代で遭遇した黒人街ハーレムと黎明期の組織的差別撤廃運動、大恐慌と大戦化の生活、さらに1960年代へと激動する社会の変化が、悔しさ、悲しみ、共感、そして笑いと共に二人の言葉で甦る。これこそ、生きた“もう一つのアメリカ社会史”である。