幸福な45年にわたる結婚生活の果てに、妻サラを我が手にかけてしまった75歳の老人ジェームズ。なぜ、彼は妻を殺さねばならなかつたのか?妻を殺した後、ジェームズは一人ソファに座り、遠い過去に思いを巡らせる。50年前へと溯る独白は、時に前後し、時に繰り返され、記憶の回廊をさまよう旅となる。ヴァイオリニストを目指す青年ジェームズと親友のエリツク、公爵家の令嬢エラとその従姉サラ―ベールを剥ぐように次第に浮かび上がるのは、4人の若者の愛と憎しみのドラマであり、封印された痛ましい悲劇だった。弱冠21歳にして世界中を沸かせた、オックスフォード在学の俊英が放つ、重厚にして華麗な衝撃のデビュー作。