田嶌道生
1:ラグリマ 2:アデリータ 3:アランブラの想い出 4:アメリアの遺言 5:モーツァルトの『魔笛』の主題による変奏曲 Op.9 6:エストレリータ 7:ワルツ第4番 8:大聖堂 9:11月のある日 10:カヴァティーナ 11:鐘の響 12:アストゥリアス 13:■作品解説
本書は単なる楽譜集を超え、クラシックギターが紡ぐ魂の遍歴を田嶌道生が現代に蘇らせた至高のアンソロジーです。タレガやバリオスの名曲は一音一音が孤独な魂の震えであり、言葉を超えた「沈黙の文学」とも呼ぶべき深淵な情緒を宿しています。弦に指を這わせるたび、奏者は作曲家の抱いた憧憬や悲哀という生きたドラマを追体験するのです。 TAB譜という形式で名曲を解体した本作は、聖域の扉を開き、誰の手にも物語を委ねる大胆な試みです。楽譜という名の脚本を自らの指先でなぞる行為は、音楽という叙事詩を肉体化する情熱的な対話に他なりません。気高い伝統と奏者の熱量が共鳴し、新たな感動を刻み続ける一冊です。