柏倉康夫
家具一切を売り払い、ようやく手にした十円足らずを元手に、ふたりは足かけ四年の旅に出た。行きがかりで漂いでた日本から、アジアを伝ってパリへの遠い旅は、はじめのうちこそ少し寂しい気もしたものの、気楽でもあったし、悪いものではなかったー。残された作品を丹念に追いながらふたりの道行を描く傑作評伝。