本書は、九十年代末の混沌とした時代精神を切り取った、表現者の咆哮である。単なるタレント本の枠を粉砕し、既存の価値観へ挑む姿勢には、パンク文学にも通じる破壊的な美学が宿る。田村淳の緻密な知略と田村亮の無垢な情熱が交錯する瞬間、そこには偶像ではない血の通った人間の葛藤が立ち現れる。
語られるのは、剥き出しの自己証明だ。テレビという巨大な装置の中で、いかにして真実の個を確立するか。その切実な問いは、現代を生きる我々の孤独や野心に激しく呼応する。言葉の背後に蠢く若き日の渇望は、時を経てもなお色褪せず、読む者の魂に熱い火を灯し続けてやまない。