あらすじ
ISBN: 9784823413193ASIN: 4823413199
近年、語用論の発展はめざましいものの、語用論と方言学とが交差するところに生まれる「語用論的方言学」はまだ産声を上げたばかりである。本書は、方言学の新たなパラダイムを描き出すとともに、社会語用論や歴史語用論とのリンクをも視野に入れ、この分野の研究を大きな潮流へと向かわせるひとつの契機となることを企図して編んだ論文集である。
執筆者:新井小枝子、太田有紀、沖裕子、尾崎喜光、加順咲帆、川崎めぐみ、岸江信介、櫛引祐希子、甲田直美、後藤典子、小西いずみ、小林隆、斎藤敬太、齋藤すみれ、峪口有香子、佐藤亜実、椎名渉子、塩田雄大、田附敏尚、ダニエル・ロング、津田智史、友定賢治、中西太郎、半沢幹一、舩木礼子、松田美香、三宅和子、森勇太、矢島正浩、安井寿枝

穏やかな佇まいの奥に、人間の多面性を鮮やかに宿す名優、それが小林隆という表現者です。日本のエンターテインメント界において、彼は単なる俳優という枠を超え、作品に温度と実存感を与える稀有な職人としての地位を確立しています。その原点は、伝説的劇団「東京サンシャインボーイズ」という熱狂の磁場にあります。三谷幸喜という才能と共に歩んだ舞台という戦場で、彼は緻密な計算と突発的な閃きを融合させる術を学びました。銀幕へと活動の場を広げてからも、市井に生きる人々の喜びや哀愁を、過剰な装飾を排して体現するそのスタイルは揺らぐことがありません。彼のキャリアを紐解けば、そこに浮かび上がるのは一貫した「誠実さ」という哲学です。ジャンルを問わず多岐にわたる作品に出演しながらも、その一役一役が物語の骨格を支える重要なピースとなっており、主役を静かに引き立てながら作品全体の質を底上げする触媒のような役割を担っています。特定の型に嵌ることなく、それでいて彼にしか出せない哀愁を漂わせる演技の深淵は、多くの監督や制作陣にとって代えのきかない信頼の証となりました。静謐でありながら誰よりも雄弁に物語を語るその背中は、日本の映像文化における「良心」として、これからも静かな感動を呼び起こし続けることでしょう。