檜垣宏太
新海誠『天気の子』の、特にラスト帆高が陽菜に対して言う「大丈夫」の意味を探究することによって、同作の主題が「社会のために自分のかけがえのない人を犠牲にする」ことの峻拒にあることを論じる。そして、その議論は個人の尊重(憲法13条)及び国民代表制(憲法43条)の観点からの天皇制(憲法1条)批判と同型の議論であり、『天気の子』が潜在的に持つ含意は、同作を令和の「この国のかたち」、国民が共有できるパラデイグマ≒ナラティブとして捉えられうることを論じたアニメ映画批評。