あらすじ
『仮面ライダー響鬼』という作品は、元々は「仮面ライダーシリーズ」に代わる新しい特撮ヒーロー番組として企画されたものだった。それが設定を固めていく仮定で「仮面ライダーシリーズ」にいわば“吸収合併”されていった、という経緯がある。本書がおもな言及の対象としているのは、そのような時期の、いわば“『響鬼』”になる前の“『響鬼』”であって、出来上がって放映された“完成映像としての『響鬼』”を対象としていない。史上最も特異な仮面ライダーの成立に最初期からたずさわった“関係者”が明かす、特撮ヒーロー誕生までのリアルな舞台裏。マニアも知らなかった本来の「響鬼」の姿がいま初めて明らかに。内部設定資料・没プロット案等も多数載録。もちろん、東映“非”公認本。
ISBN: 9784772704625ASIN: 4772704620
映画・ドラマ版との違い・考察
本書は、特撮史に残る「仮面ライダー響鬼」誕生の葛藤を浮き彫りにした一冊です。ブランドの重圧に抗い、未踏のヒーローを模索した者の熱量が没資料から生々しく伝わります。これは理想が現実と衝突し、変容する様を記録した極上のドキュメンタリー文学といえるでしょう。 映像化された完成作が端正な美を放つ一方で、本書は完成形に収まらぬ異形の情熱を映し出します。幻の原型に触れることで、映像の背後に潜む深淵なテーマが鮮明となり、両メディアを横断する体験は、作品への理解をより重層的なものへと昇華させてくれます。