あらすじ
中国最初の漢字字典『説文解字』(西暦100 年頃)から日本の『日本大辞書』(1892-1893年)まで、古今の辞書を対象に、系統研究から、成立論、字体史、音韻史、語彙史、受容史、データベース化まで、さまざまな角度からおこなわれてきた辞書研究を、日中韓の研究者が集い総合的に捉える初の試み。
序 文
「小学」からの脱皮ー漢字研究の新しい地平 阿辻哲次
日中辞書研究の対話に向けてー『字典・詞典の研究』の刊行によせて 池田証寿
第一章 「字典」の研究
朝鮮本『龍龕手鑑』の増補資料 田中郁也
朝鮮本における字体ー『洪武正韻』と『新増類合』を例にして 楊 慧京
観智院本『類聚名義抄』の「俗通」字について 張 馨方
「字鏡集」の漢字音についての試論 伊藤智弘
色葉字平他類韻書の利用実態及び位置付けー『伊呂葉字平它』『色葉字平它』を例に 康 凱欣
近世琉球で使用された字書についての一報告 中野直樹
『増続大広益会玉篇大全』本文の典拠についてー『大広益会玉篇』・『字彙』・『正字通』等の利用 中野直樹・劉 冠偉
第二章 日本における「詞典」の研究
『本草和名』所引佚書初探ー「諸家食経」と「諸家本草音義」を中心に 武 倩
『倭名類聚抄』における漢音注の編纂過程について 鈴木裕也
日本の“国語辞書”の語彙の消長ー『色葉字類抄』ロ篇畳字部の熟語を母体として 藤本 灯
『色葉字類抄』における呉音漢音混読語の性格 大島英之
『名語記』と悉曇学 小林雄一
十九世紀における『倭訓栞』の受容 小野春菜
『日本大辞書』の「誤り」を捉え直すー連歌用例をめぐって 河瀬真弥
第三章 古辞書の構造化
日本古辞書の構造化記述についてー『篆隷万象名義』を例に 李 媛
TEI/XMLとRDFによる日本古辞書の出典情報記述モデル 申 雄哲
古辞書Web 研究資源横断検索のためのメタデータ設計 劉 冠偉
第四章 〔講演〕の部
『説文解字讀』について 阿辻哲次
中国最初の漢字字典『説文解字』はなぜ漢字の構成原理を説くことを主な内容とするのかー出土文献研究の視野から『説文解字』を考える 李 守奎
日本辞書史研究の回顧ー平安時代を中心に 池田証寿
『和名類聚抄』から『倭名類聚鈔箋注』へ(続) 萩原義雄
あとがき 藤本 灯
執筆者紹介