あらすじ
円熟期の筆が冴える傑作から本邦初訳の隠れた名作まで 第3巻には「スポンサーからひとこと」など著者を代表する傑作16編を収録 奇抜な着想、軽妙なプロットで、短編を書かせては随一の名手。1963年には『未来世界から来た男』で創元SF文庫の記念すべき第1弾を飾ったフレドリック・ブラウン。その多岐にわたる活躍の中から、111編のSF短編すべてを年代順に収めた決定版全集・全4巻。第3巻には「スポンサーからひとこと」など傑作16編を収録。 【収録作】 「存在の檻」 「命令遵守」 「フラウンズリー・フロルゲルズ」 「最後の火星人」 「地獄のハネムーン」 「星ねずみ再び」 「六本足の催眠術師」 「未来世界から来た男」 「選ばれた男」 「入れ替わり」 「武器」 「漫画家」 「ドーム」 「スポンサーからひとこと」 「賭事師」 「処刑人」 収録作品解題=牧眞司 解説=若島正
ISBN: 9784488010942ASIN: 4488010946
映画・ドラマ版との違い・考察
フレドリック・ブラウンの真骨頂は、日常の亀裂から宇宙的諧謔が顔を出す瞬間にあります。本巻収録の傑作群は、単なるアイデアの奇抜さを超え、文明への鋭い皮肉と人間の本質を突く哀切が共鳴しています。読者は数ページという極小の迷宮に放り込まれ、最後の一行で世界が反転する快感と、理不尽な運命に翻弄される恐怖を同時に味わうことになるのです。 映像化作品においては、ブラウン特有の視覚的驚きがダイレクトに表現される一方、活字のみが到達しうる心理的な「余白」の深みは、やはり原作でこそ輝きます。映像が提示する鮮烈な結末を起点に、テキストに刻まれた濃密な論理と詩情を読み解くことで、メディアの境界を越えた多層的な知的興奮を享受できるはずです。