あらすじ
私立女子校中等部二年生の範子は、地味ながらも気の合う仲間と平和に過ごしていた。ところが、公開裁判の末にクラスのトップから陥落した滝沢さん(=王妃)を迎え入れると、グループの調和は崩壊!範子たちは穏やかな日常を取り戻すために、ある計画を企てるが...。傷つきやすくてわがままで―。みんながプリンセスだった時代を鮮烈に描き出すガールズ小説!
ISBN: 9784408552279ASIN: 4408552275
作品考察・見どころ
柚木麻子氏が描くのは、閉鎖的な女子校という名の戦場に吹く、痛快な革命の風です。本作の真髄は、残酷なスクールカーストを単なる序列としてではなく、少女たちが真の自我を確立するための試練として昇華させた点にあります。嫉妬や悪意が、他者への共感や高潔な連帯へと転換していく過程は、かつての閉塞感を知るあらゆる読者の胸を熱く焦がすことでしょう。 誰もが世界の中心だと信じ、同時にその脆さに震えていたあの季節。著者は、傷つきやすさと傲慢さが同居するプリンセスたちの真実を鋭利な筆致でえぐり出します。これは、受動的な平穏を捨て、自らの手で楽園を再構築しようとする少女たちの、誇り高き自己奪還の物語なのです。