あらすじ
吉永小百合さん主演映画『いのちの停車場』シリーズ最終話。主人公は映画で広瀬すずさんが演じた看護師・麻世。
これで安心して死ねるよ。
ありがとう、ありがとう。
余命わずかな人たちの役に立ちたいーー“熱血看護師”麻世が「緩和ケア科」で学び、最後に受け取ったものは。
震災前の能登半島の美しい風景と共に、様々な旅立ちを綴る感動長編。
患者さんの苦痛を取り、嫌だと思うだろうことをしない。
それが最後にできる最高の仕事。
まほろば診療所の看護師・麻世は、能登半島の穴水にある病院の看護実習で「ターミナルケア」について学ぶ。激しい痛みがあるのに、どうしてもモルヒネを使いたくないという老婦人。認知症と癌を患い余命少ない父に無理やり胃ろうつけさせようする息子。そして麻世が研修の最後に涙と感謝と共に送るのは、恩師・仙川先生だったーー。
ISBN: 9784344043770ASIN: 4344043774
映画・ドラマ版との違い・考察
現役医師の南杏子が綴る本作は、死を敗北ではなく人生の完結と捉え直す崇高な記録です。能登の風景と共鳴する痛切かつ温かい筆致は、読者の死生観を劇的に揺さぶります。看護師・麻世の視点から描かれる尊厳への模索は慈愛に満ちており、物語全体に深い滋味が漂っています。 映画版で広瀬すずさんが演じた麻世の内面を深く掘り下げた本作は、映像とテキストが響き合う見事なシナジーを生んでいます。活字ならではの心理描写により、実写では描ききれなかった看取る側の葛藤が立体的に浮かび上がります。命の灯火を繋ぐことの真意を問う、魂が震えるほどの感動をぜひ体験してください。