あらすじ
伊坂幸太郎デビュー25周年記念書き下ろし作品。
長さは短編、物語は壮大、読みごたえは大長編
人はどんなものにも物語(ストーリー)があると思い込む。
きっとあなたもそのひとり。
大規模停電、強毒性ウィルスの蔓延、飛行機墜落事故などが立て続けに発生し、世界は急速に混乱に陥った。
これらすべての原因は謎の人工知能『天軸』の暴走と考えられた。
五十九彦(ごじゅくひこ)、三瑚嬢(さんごじょう)、蝶八隗(ちょうはっかい)の選ばれし3人は、人工知能の開発者が残したという巨大な樹の絵画『楽園』を手掛かりに、暴走する『天軸』の所在を探る。
旅路の果てには、誰も想像できない結末が待ち受ける。
書き下ろしの短編小説を、気鋭のアーティスト、
井出静佳の装画・挿絵とともに味わう「伊坂幸太郎史上最も美しい1冊」。
ISBN: 9784120058752ASIN: 4120058751
作品考察・見どころ
伊坂幸太郎が描く本作の真髄は、人工知能の暴走というSF的設定を、あくまで人間の手触りへと引き寄せる卓越した筆致にあります。絶対的な計算に支配された世界で、五十九彦たちが一枚の絵画を頼りに旅する姿は、論理では測れない直感の美しさと、個人の意志が持つ尊さを鮮烈に問いかけます。 映像版では天軸の脅威が迫力ある表現で描かれますが、原作の魅力は文字から立ち上がる内省的な深みと対話の哲学にあります。映像を観た後にテキストへ戻れば、楽園の真意はより鮮明に、深く胸に響くはずです。メディアを越えて共鳴し合うこの物語を、ぜひ全身で味わってください。