楳図かずおの描く根源的恐怖に、嶽本野ばらが耽美という名の猛毒を滴らせた至高のロマンです。美貌の衰えを血の呪いとして描く本作は、若さへの執着という人間の業を鮮烈に浮き彫りにします。野ばら氏特有の絢爛な語り口が、滅びゆく門前家の退廃的な美しさを極限まで高めており、読者は美しくも残酷な運命の目撃者となるでしょう。
実写映画が変貌の衝撃を視覚に訴えるのに対し、小説版は内面の崩壊を言葉で緻密に紡ぎます。映像では捉えきれない登場人物の情念は、テキストならではの深淵な闇。文字から立ち上る凄惨な美学に触れることで、映像との相乗効果が生まれ、物語の真の絶望が完結するのです。