藤村緋二/山田胡瓜/石ノ森章太郎/庵野秀明/八手三郎
緑川イチローが“ハビタット計画”へと傾倒する中、父・緑川弘は最後の希望を託し、本郷猛を“バッタオーグ”へと改造した。SHOCKERのオーグメントたちの前に立つ、その“正義”は「仮面ライダー」を名乗った。「正義のヒーロー譚」の陰にある「悪の組織」の物語。映画『シン・仮面ライダー』と表裏の“本編SIDE”スタート!!
本作は、正義の定義を根底から揺さぶる重厚な人間ドラマです。石ノ森章太郎が遺した「孤高の虚無感」を現代的解釈で継承し、ショッカー側の視点から幸福の追求が招く悲劇を鮮烈に描き出しています。特に緑川イチローが抱く純粋ゆえの狂気は、単なる悪役の回想録を超え、救済を渇望する人間の魂の彷徨として文学的な深みを湛えています。 映画版が圧倒的なビジュアルで魂の激突を活写したのに対し、このコミック版は緻密な心理描写によって実写では語り尽くせなかったオーグメントたちの「祈り」を補完しています。映像が外的な衝撃を与えるならば、本書は内面から読者の倫理観を侵食する。この双方向のシナジーこそが、仮面ライダーという神話を現代に再生させる真の鍵と言えるでしょう。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。
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