あらすじ
現職知事の後継者が、選挙告示前に急死。後継候補を巡る争いに、突然名乗りを上げたオリンピックメダリスト、地元フィクサーや現職知事のスキャンダルを追う記者の思惑が交錯する。これまで四期連続当選してきた現職県知事・安川(76歳)は、今期限りでの引退を決める。後任については副知事の白井に任せるということで内々に話がまとまっていた。しかし、選挙告示の2ヶ月前に白井が急死し、次期知事候補は白紙に戻る。一方その頃、地元出身でオリンピックメダリストの中司涼子(42歳)が、突如知事選への出馬を表明する。公約に「冬季オリンピックの招致」を打ち上げ、一気に有力候補に躍り出る。混沌とした様相はさらに加速し―。隠された利権、過度な忖度、県民性の謎...。圧倒的な権力を持つ「地方の王様」を決める熾烈な争い。選挙小説の新機軸!
ISBN: 9784087754445ASIN: 4087754448
作品考察・見どころ
堂場瞬一が描くのは、政治という名の泥臭い戦場です。権力者の退場と後継者の急死が招く混沌は、スポーツ小説の名手である著者ならではの「勝負師の論理」を際立たせます。メダリストという異分子が組織の闇に火花を散らす展開は、単なる権力闘争を超えた熱量を放っています。 本作の真髄は、情報の裏側で蠢く人々の剥き出しの野心です。記者の視点とフィクサーの思惑が交錯し、理想と現実の狭間で揺れる社会の歪みが浮き彫りになります。選挙という狂乱の宴を前にした緊迫感。加速する人間ドラマに、あなたは知らず知らずのうちに当事者の一人として引き込まれていくはずです。