あらすじ
「梟」が残した羽根に、自らの行く末を重ねる寿雪。
先代の戒めに反し夜明宮は孤独から遠ざかるも、寿雪自身は真に虚しさから逃れることが出来ずにいた。
烏妃の元には、今宵も訪問者が絶えない。泊鶴宮での怪異は、やがて烏漣娘娘への信仰を脅かす『八真教』へと通じて……?
他方、高峻は烏妃を「烏」から解放する一筋の光明を見出し、半信半疑ながらも寿雪と共にあることを決めた。
それぞれの過去が少しずつ明らかになり、真実はなおも遠いーー。それでも確かに進んでいく、たとえ禁忌に触れることになろうとも……。
真の‟救い"は光であり、葛藤……。
数多の謎が繋がり、導く……歴史が再び動き出すーー
シリーズ累計30万部突破!!
圧倒的中華幻想譚、第三弾。
ISBN: 9784086802673ASIN: 4086802678
映画・ドラマ版との違い・考察
白川紺子が描く静謐かつ熾烈な運命の物語は、この第三巻で真の深淵へと足を踏み入れます。孤独を宿命付けられた烏妃・寿雪が、禁じられた絆に揺れる様は読者の胸を強く締め付けます。本作の白眉は、神話の闇に潜む「烏」からの解放という果てしない希望に向け、高峻が手を伸ばす瞬間の緊密な筆致にあります。 アニメ版では息を呑む色彩美がその世界を彩りますが、原作の醍醐味は文字でしか表現し得ない深遠な心理描写にあります。映像が補完する動的な怪異の恐怖に対し、小説は寿雪の魂の震えをダイレクトに伝えてくれるのです。二つのメディアを往復することで、孤独の先にある救いの輪郭がより鮮烈に浮かび上がることでしょう。
