あらすじ
大友克洋が26-27歳の頃、1980-1981年にかけて制作した作品を収録した作品集。奇想天外社より発行されていた季刊誌「マンガ奇想天外」に6回にわたり連載された表題作を中心に、4篇の短編漫画、1篇のショート漫画、全12篇からなるショート連作シリーズを収録。遠く離れた惑星から地球への帰還を控えた巨大な資源採掘宇宙船を舞台にしたミステリー仕立てのS F『APPLE PARADISE』は前巻の『G…..』と同様に一度も単行本化されたことのない“幻の作品”だったが、ついに全6回(約120p/未完)の収録が実現した。さらに傑作ウェスタン『サン・バーグズヒルの思い出』や、童話や文学をモチーフにしたショート連作『That’s Amazing World』全話などを収録。収録短編の内訳は『SOS大東京探検隊』(1996年/講談社)より2篇、『彼女の想いで…』(1990年/講談社)より1篇とショート4篇、『ヘンゼルとグレーテル』(1981年/ソニー・マガジンズ)より1篇とショート8篇、『GOOD WEATHER』(1981年/綺譚社)よりショート1篇。なお短編『I・N・R・I』は単行本の初収録時にコマの左右を入れ替えて右開きに改変されていたが、本書では本来の原稿どおりの左開きに戻して巻末から読む形にし、さらに雑誌初出時と同じ2色カラーにて復刻。また、単行本ではモノクロにて収録されていた短編『ELECTRIC BIRD LAND』は、今回初めて雑誌初出時の「全ページ2色カラー」バージョンを再現しての収録となる。
※「OTOMO THE COMPLETE WORKS」第7巻
P.5「SOS! 大東京探検隊」
P.38「大友克洋のThat’s Amazing World:5頁のアリス」
P.43「大友克洋のThat’s Amazing World:白鯨」
P.48「大友克洋のThat’s Amazing World:狼男」
P.53「大友克洋のThat’s Amazing World:オズの魔法使い」
P.58「大友克洋のThat’s Amazing World:12時過ぎのシンデレラ」
P.63「大友克洋のThat’s Amazing World:青い鳥」
P.69「大友克洋のThat’s Amazing World:眠れる森の美女」
P.75「大友克洋のThat’s Amazing World:アラジンの魔法のつぼ」
P.81「大友克洋のThat’s Amazing World:アリババと四十人の盗賊」
P.87「大友克洋のThat’s Amazing World:ノアの箱舟」
P.93「大友克洋のThat’s Amazing World:老人と海」
P.99「大友克洋のThat’s Amazing World:円卓の騎士」
P.105「サン・バーグズヒルの思い出」
P.137「ELECTRIC BIRD LAND」
P.154「APPLE PARADISE」第一話「帰還前夜」
P.185「APPLE PARADISE」第一話「帰還前夜」(二)
P.209「APPLE PARADISE」第一話「帰還前夜」(三)
P.217「APPLE PARADISE」第一話「帰還前夜」(四)
P.234「APPLE PARADISE」第二話「帰路」
P.243「APPLE PARADISE」第二話「帰路」(二)
P.259「APPLE PARADISE」第二話「帰路」(三)
P.274「VIRGIN SHADOW に一番乗り!」
P.278「解説」
P.297「I・N・R・I」
作品考察・見どころ
大友克洋の真髄は、緻密な筆致で虚構を現実以上に現出させる力にあります。本作はアキラ前夜の熱量を孕み、地底から宇宙までを貫くスケールで人間の業を鋭く描いています。静止画でありながら時間と重力を感じさせる表現力は、読者を一瞬で異世界の深淵へ引きずり込む魔力に満ちています。 映像版が動的な快楽を放つのに対し、原作は一コマに凝縮された情報の奔流を咀嚼する贅沢を提示します。紙上の深みと映像の躍動感が共鳴し、物語はより立体的な芸術へと昇華されます。両メディアを横断してこそ完成する圧倒的な世界構築のシナジーを、ぜひその身で体感してください。




































