本作の核心は、狂気とユーモアが一体となった大友克洋監督の鋭利な映像美にあります。バブル末期の東京に佇む古いアパートの、生理的な不快感と混沌が混ざり合う空気感は圧巻。得体の知れない怪異が迫る恐怖を、動的なカメラワークで描き出す演出は、観る者を都市の深淵へと強烈に引きずり込みます。
主演のSABUが見せる、極限の焦燥感と滑稽さは唯一無二です。地上げという社会の歪みを背景に、合理主義では測れない「怨念」の本質を、圧倒的なエネルギーで叩きつける手腕は見事。時代の裂け目に潜む闇をえぐり出した本作は、単なるホラーを超えた、痛烈な文明批評を孕んだ傑作といえるでしょう。