山口優
30万人の魂が消失した大災害ER(アーリー・ラプチャー)より2年。事件の関係者・御影詩希は、沖ノ鳥島メガフロートシティで平凡な日々を送っていた。そんな彼女の前に、ERの黒幕と言われる謎の組織・国際携挙教会が姿を現す。ヨーロッパ、中東、アメリカ...、詩希は兄礼望、友人のアルヴたちとともに世界中で国際携挙教会の野望と戦う!
山口優が描く本作の真髄は、未曾有の喪失を経験した人類が「魂の不在」にどう向き合うかという、極めて哲学的で痛切な問いにあります。高度なSF的想像力によって構築された世界で、喪失の淵に立つ詩希が再生へと向かう歩みは、単なる冒険譚を超えた文学的な重厚さを放っています。 救済か破滅かを揺れ動く「アルヴ」という存在は、読者に自己のアイデンティティを鋭く問いかけます。静謐な叙情性と、世界を股にかけた壮絶な闘争が織りなす重層的なドラマは、凍てついた読者の魂を激しく揺さぶる情熱に満ち溢れています。
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