越路吹雪岩谷時子
今から四十六年前(昭和二十八年)越路吹雪さんは、シャンソンを歌いつづけるなら本場でシャンソンを聞き、パリの風にもふれたいと単身パリへと旅立った。若い日の想い出になるからと、私は彼女に日記を書くことをすすめた。生活も言葉もちがう国で、そんな余裕はないだろうと思っていたが、思いがけず日記を書いて帰国した。飾り気のない、一生一度の、いかにも彼女らしい日記だった。(岩谷時子「はじめに」より)。