本書は、高橋マリ子という稀有な表現者の内宇宙を鮮烈に記述した、美学に満ちた生活の記録です。オープンハウスや天使跳びといった独創的なマリ子語は、記号化された日常に新たな生命を吹き込む呪文のよう。既存の言語体系を軽やかに飛び越えるその感性は、読者の硬直した思考を解きほぐし、世界を再発見させる文学的な力強さに満ちています。
直筆の夢日記やコラムは、彼女の無意識と現実が混ざり合う豊穣な原風景を曝け出し、ページをめくるごとに濃密な親密さを感じさせます。これは一個の人間が持つ純度の高い美意識の結晶です。彼女の眼差しを通じて綴られる言葉とイメージの奔流は、私たちの魂を心地よく揺さぶり、忘れかけていた純粋な感受性を鮮やかに呼び覚ましてくれるでしょう。