ゴーモン・ブリティッシュ・ピクチャー・コーポレーションは、1920年代から30年代にかけて英国映画界の黄金期を牽引した伝説的な制作会社です。元々はフランスのゴーモン社の英国部門として設立されましたが、後に独立し、製作・配給・興行を垂直統合した巨大スタジオへと発展しました。同社の歴史を語る上で欠かせないのが、巨匠アルフレッド・ヒッチコックとの提携です。『三十九夜』や『暗殺者の家』といった初期の傑作群を世に送り出し、英国流スリラーの洗練された文法を確立しました。また、当時の最先端技術を導入したライム・グローブ・スタジオを拠点に、ハリウッドに匹敵する高い制作クオリティを誇りました。サスペンス、コメディ、ミュージカルなど多岐にわたるジャンルを手掛け、英国映画の国際的地位を飛躍的に高めたその功績は、映画史において極めて重要な位置を占めています。戦後、ランク・オーガニゼーションの一部となりましたが、彼らが遺した映像美学は今なお色褪せることがありません。