本作の真髄は、規律を重んじる軍隊という強固なシステムに、奔放な映画制作の狂騒がなだれ込むことで生まれる秩序と混乱の火花にあります。厳格な日常がユーモアによって鮮やかに解体されていく様は圧巻で、固定観念を軽やかに突き崩す演出のキレが、観る者に爽快な解放感を与えてくれます。
シャーロット・グリーンウッドの圧倒的な身体能力を活かしたコメディ演技と、ジェームズ・グリーソンの鋭い掛け合いは、まさに職人芸の域。若き日のレイ・ミランドが放つ輝きも、作品に華を添えています。形式美の中に人間の滑稽さを愛らしく描き出す本作は、理屈を超えた笑いの力を信じさせてくれる珠玉の一本です。