あらすじ
(あとがきより)本書は、筆者の博士(教育学)学位論文『自立へのプロセスを踏まえた幼児の基本的生活習慣の獲得に関する研究』(2025年9月刊行)の内容をもとにして、その一部を一般書としてわかりやすくまとめたものです。学位論文では、基本的生活習慣の発達基準をこれまでなかった3段階の示し方をすることで、発達のプロセスを明らかにしました。しかし、学位論文は専門的に学んでいる方しか読む機会はありません。そのため、子育てをしている保護者や保育現場の先生方が目にすることは期待できません。つまり、現状での基本的生活習慣の知識に影響を与えることはほとんどないのです。筆者は、せっかく研究した内容を子どもたちの為に役立てなければ意味がないと考えています。そこで、これまでお世話になっていた株式会社一藝社に出版の相談をさせていただき、保護者や保育者が気軽に読むことができ、学位論文の内容も反映させた形の本を刊行することになりました。それが本書です。
基本的生活習慣の重要性については、保育、教育の現場にいる先生方は嫌というほど感じていると思います。特に、食事、睡眠、排泄の習慣からなる生活リズムの乱れにより、子どもが日中楽しく遊べない、授業に集中できない、といった問題はよく耳にします。どこの現場も、保護者に向けてさまざまな発信をし、正しい習慣を身に付けるように促しているはずです。というのも、これは家庭と協力しなければ身に付けることができないからなのです。ゆえに、その重要性を機会あるごとに伝えようとしているのです。実は基本的生活習慣の発達については、高等学校の家庭科教科書にも掲載されているのですが、授業で取り扱われることは残念ながらほとんどありません。親になってもその知識は備わっていないのです。健康で自立心があり、意欲にあふれている子どもに育てたい、と保護者も保育者も考えているはずです。その土台となるのが、基本的生活習慣の自立なのです。本書の内容が幼児期の子どもにとって重要であることを少しでも理解してもらい、適切な指導ができるようになることを期待したいと思います。