極大権限で学園を統べる少女たちが、教育実習生という異分子を前に、その絶対性を揺らがせていく。本作の白眉は、権力者の凛然たる姿と、恋に戸惑う乙女の素顔との鮮烈なコントラストにあります。複数の著者の競演により、ヒロインたちの微細な感情が多角的に彫琢され、単なる短編集を超えた重奏的な文学性を獲得しています。
三週間という期限付きの平穏で彼女たちが手にするのは、権力では支配できぬ初恋の熱量です。テキストから立ち上がる吐息や視線の交差は、青春の刹那的な美しさを浮き彫りにします。完璧な少女たちが恋によって等身大の弱さを露呈する瞬間は、読者の胸を官能的にさえ焦がすことでしょう。