あらすじ
「わたしが愛した光...太陽の翼よ」遙かな眠りから目覚めた“彼”が見たのは、愛した者の幽かな残響だった―。かつての「楽園崩壊」により、永い眠りについていた天翅頭翅は、一万二千年の時を経て目覚める。天翅族を破滅へと追いやった機械天使、アクエリオンが甦ったのだ。だがそれは、天翅を裏切り、人類についた太陽の翼、アポロニアスの復活も意味していた。憎悪と愛のはざまで、トーマは戦いに身を投じる。決して明かすことのない野望を秘めて。河森正治が生んだ最も熱いアニメ『創聖のアクエリオン』。主人公アポロの敵手たる堕天翅トーマの物語を描く外伝、ここに登場。
ISBN: 9784829117842ASIN: 4829117842
作品考察・見どころ
本作は、アニメ本編では語り尽くせなかった「敵側の真実」を、堕天翅トーマの視点から苛烈に描き出した文学的野心作です。一万二千年の孤独と執着が、美しい文体によって読者の魂を揺さぶります。愛と憎しみは表裏一体であり、神話的なスケールで綴られる彼の独白は、一つの切実な叙事詩として完結しています。 映像版の熱狂とは対照的に、本書はテキストならではの静謐な狂気を湛えています。アニメでは謎めいていたトーマの深層心理が緻密に言語化されることで、物語の背後にある輪廻の残酷さが浮き彫りになります。映像で描かれた合体の歓喜を、活字という孤独のメディアで再解釈する行為は、ファンにとって至高の体験となるはずです。