あらすじ
瞬間移動技術と12000年前の古代遺跡 火星と太陽系を巡るふたつの謎 『星を継ぐもの』の著者、円熟期の傑作登場! 火星の都市でベンチャー企業が研究していたテレポーテーション技術の、初の人体実験。それは大成功を収めたかに見えたが、自ら被験者となった科学者の身辺で、奇妙な事件が多発する。一方、火星の荒野で発見された12000年前の巨石遺跡は、地球も含めた太陽系各地に足跡を残す古代文明の実在の証拠と思われたが、頑迷な学界は決してその存在を認めようとしない。そして遺跡と考古学遠征隊に危機が迫る……。ふたつの事件の謎を巡り、フリーランスの紛争調停人キーラン・セインは調査に乗り出す。『星を継ぐもの』の巨匠ホーガン円熟期の傑作! 解説=礒部剛喜
ISBN: 9784488663278ASIN: 4488663273
作品考察・見どころ
ホーガンが描くのは、単なるSFの枠を超えた「知性の闘争」です。最先端の物理学と悠久の古代遺跡を交錯させ、真理を拒む権威への痛烈な批判を投げかけます。緻密な論理が壮大な宇宙のパズルとして結実する瞬間のカタルシスこそ、本書の真骨頂。未踏の領域へ挑む人間の意志が、ページをめくる手を止めさせません。 紛争調停人セインの冷静な視点を通じ、読者は既成概念を打破する興奮を体感します。硬質な科学的思考に宿る、未知への憧憬と人間の可能性を信じる情熱。それは閉塞した現代にこそ響く「知の冒険」であり、知的好奇心を極限まで震わせる至高の傑作です。