鈴木寿実子
不意に針が飛ぶ、傷ついたレコードのように、心は容易くひび割れていくーー。ガラスの如き繊細さを抱え、壊れる寸前の淵に立つ人々。孤独に震えるその肩を昭和の淡い光が優しく包み込む。たとえ心に痛みを抱えていても、頁の端々には必ず微かな救いが灯る。夕日館の音/りんご/落花生/蕾/マジックポケット/“おどり?の好きな女/布団/爆弾/時雨/秋の陽/蒼蜘蛛