山田洋次/平松恵美子
骨肉の争いという言葉があるが、肉親同士が時として他人以上に憎しみ合ったりするのは、誰にでも思い当たることだろう。映画やテレビの“ホームドラマ”は家族があのようにありたいという観客のあこがれを描くのだろう。寅さんシリーズが、愚かな兄と賢い妹の滑稽譚だったとすれば、今度の『おとうと』は、賢い姉と愚かな弟の、可笑しくて哀しい物語である。
平松 恵美子 は、日本の映画監督、脚本家。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。