山井章吾は二十歳の時、人を殺めた。出所した彼を出迎える者は、一人もいなかった。巴実日子は二十二歳の時、ある事件によって未来と希望を奪われた。それでも彼女は、あえて笑顔で生きていた。そんな二人が出会い、ほのかに惹かれ合う。なんでもない日常が、互いの孤独を溶かしていった。だが、過去は簡単には眠らない。ある日、章吾の前に現れた一人の青年。「六十五番さんっすよね?」。その声が告げたのは、刑務所にいた頃の章吾の“名前”だったー。三人の宿命が交わる先にある結末とは?
ISBN: 9784344955127ASIN: 4344955129