群馬県前橋市ののどかな風景と、異彩を放つヴィジュアル系メイクが衝突する瞬間、本作は唯一無二の輝きを放ちます。閉塞感漂う日常で異端であることを選ぶ若者たちの熱量は、単なるコメディを超えた魂の叫びとして胸に突き刺さるでしょう。非日常をまとうことで現実を突破しようとする彼らの姿は、あまりにも純粋で切実な美しさに満ちています。
藤田玲や加藤和樹といった実力派が、音楽への渇望を泥臭く演じ抜く姿も見どころです。洗練された都会ではない地方都市だからこそ、不器用な夢の追い方がリアリティを伴って響きます。何者かになりたいと願うすべての人々の背中を激しく押してくれる、情熱的な人間ドラマの傑作です。