綿矢りさが到達した、新境地とも言えるパンクな毒が本作の魅力です。社会的な正しさや同調圧力に絡め取られた現代人の叫びを、彼女は容赦なく鮮やかに言語化してみせます。そこにあるのは単なる自虐ではなく、抑圧された自意識が限界を超えて爆発する瞬間の、恐ろしくも美しい生命の輝きに他なりません。
卑屈さや惨めさを突き抜け、自らの闇をあえて光の下へ晒すキャラクターたちの独白は、読者の倫理観を激しく揺さぶり、不思議なカタルシスをもたらします。著者の冴えわたる筆致が、私たちの内側に潜む「明るすぎる闇」を容赦なく射抜く、剥き出しの人間賛歌をぜひ目撃してください。