殺してもいい命
あらすじ
ISBN: 9784309410951ASIN: 4309410952
胸にアイスピックを突き立てられた男の口には、チラシが突っ込まれていた。殺された男の名は......大ヒットシリーズ最新刊、雪平の最も哀切な事件がついに文庫化!
本作の真髄は、あまりに不条理で鋭利な問いにあります。殺してもいい命という逆説的なタイトルが象徴するように、著者の秦建日子は法や倫理の境界線を冷徹に抉り出し、読者の道徳観を激しく揺さぶります。雪平夏見という孤高の刑事が対峙するのは、単なる凶悪犯ではなく、現代社会の歪みが産み落とした救いのない悲哀そのものです。 全編を貫くのは、研ぎ澄まされたハードボイルドな筆致と、その奥底に脈打つ痛切な慟哭です。テキストならではの精緻な心理描写が、雪平の沈黙や揺らぎを際立たせ、物語に圧倒的な奥行きを与えています。正義の在り方、そして命の価値を根底から問い直す本作は、シリーズ最高峰の衝撃を孕んでおり、最後の一行まで魂を揺さぶられ続けるはずです。