燃え殻
人生はままならない。だから人生には希望が必要だ。深夜ラジオを聴いた部屋で、祖母と二人きりで行った富士サファリパークで、仕事のためにこもった上野のビジネスホテルで、仮病を使って会社を休んで訪れた石垣島で、ボクが感じたものは希望だったのかーー。良いことも悪いことも、そのうち僕たちはすべて忘れてしまう。だからこそ残したい、愛おしい思い出の数々。著者初のエッセイ集。
燃え殻氏の真髄は、誰もが通り過ぎる「名もなき瞬間」に永遠の光を宿らせる筆致にあります。深夜のホテルやふとした旅の記憶。それらは孤独な夜に寄り添う体温のような優しさを持っています。本作は、記憶の底に沈んでいた感情を鮮やかに蘇らせる、魂の救済の書です。 すべてを忘却するからこそ、今この瞬間の輝きが際立ちます。ままならない人生を抱きしめ、微かな希望を掬い上げる言葉は、読者の心に静かな祈りのように響くでしょう。日常の片隅で、自分だけの愛おしい欠片を再発見させてくれる珠玉の一冊です。
燃え殻(もえがら)燃えさしのこと。 燃え殻 (作家) - 日本の作家。1973年生。『ボクたちはみんな大人になれなかった』の作者。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。