あらすじ
歌舞伎に生きる男の圧倒的青春。
極道の家に生まれた立花喜久雄は、幼き頃からその美貌で周りを魅了してきた。ゆくゆくは極道の親分になるはずだったのだが……昭和30年代、激動の日本・長崎は喜久雄を甘やかしてはくれなかった。親が目の前で殺され、長崎という狭い街で暮らせなくなった喜久雄を拾ったのは稀代の女形・歌舞伎役者、花井半二郎だった。花井にはひとり息子・俊介がおり、奇しくも喜久雄と同い年。二人が歩み道は光り輝く花道か。奈落へ繋がるイバラの道か。
これでもかと思う程に絡み合う二人の青年の人生は蒼く輝いていく!
【編集担当からのおすすめ情報】
「俺が、一番のファンだ!」
武論尊氏(『サンクチュアリ』『北斗の拳』)、激賞!!
第一話 003
第二話 031
第三話 067
第四話 105
第五話 137
第六話 159
第七話 177
ISBN: 9784098630783ASIN: 4098630788
作品考察・見どころ
吉田修一の筆致は、極道の宿命と歌舞伎の美を繋ぎ、芸に挑む人間の業を浮き彫りにします。主人公の過酷な生が舞台上で神々しい美へと昇華する過程は圧巻です。これは単なる成功譚ではなく、虚構の中にしか真実を見出せない者たちが命を削って輝く、壮絶な魂の記録なのです。 映像では俳優の肉体が美を体現しますが、原作には活字特有の「目に見えない気迫」が濃密に刻まれています。小説が紡ぐ美学が映像と共鳴することで、読者は虚実の境を超えた衝撃を味わうでしょう。両メディアを横断してこそ、伝説が国宝へと至る奇跡を完璧に目撃できるはずです。