本作は多人数ラブコメの枠を超越し、愛の無限性を肯定する純愛賛歌です。23巻に至っても愛の解像度は増し続け、一対多という構造が孕む狂気的なまでの誠実さに圧倒されます。個々の属性を記号に留めず、全員を等しく慈しむ著者の揺るぎない覚悟が、本作を唯一無二の文学的境地へと押し上げています。
映像化で躍動感を得た物語ですが、原作の真髄は紙面を埋め尽くす圧倒的な描き込みにあります。アニメ版が熱量をテンポ良く抽出する一方、原作は一コマに凝縮された愛情の密度を自分のペースで咀嚼できる贅沢さを与えてくれます。両メディアを往復することで、愛が溢れ出す本作の多幸感はより深まるはずです。