和山やま
深夜に揺れるファミレスの光は様々な人間を引き寄せ、全てを受け入れる。
和山やまが描く世界の本質は、言葉にならない「間」の芳醇さにあります。深夜のファミレスという匿名的な場を舞台に、奇妙な縁で結ばれた二人の関係性が静かに変容していく様は、日常の裏側に潜む微かな熱を鮮烈に浮き彫りにします。虚無感と親密さが同居する独特の空気感は、和山作品にしか到達し得ない文学的な境地と言えるでしょう。 本作の魅力は、青年期の不確かな足取りと、大人の持つ危うい色香が交差する瞬間の美しさです。劇的な事件は起きずとも、卓を挟んで交わされる視線や会話の断絶に、読者は抗いがたい切実さを覚えるはずです。孤独を肯定しつつ、他者との距離を測り直す魂の彷徨が、緻密な描線によって至高の人間ドラマへと昇華されています。
和山 やま は、日本の漫画家。沖縄県出身。