安堂維子里/黒川博行
大金を騙しとった詐欺師のジジイをシメる!出資金詐欺を働き、高飛びした映画プロデューサーのジジイを捕まえるべく、マカオへと飛んだ強面ヤクザの桑原&建設コンサルタントの二宮。カジノゲームに興じつつ、ヤツを逃がさないために考えを巡らし、動くーー!
黒川博行が描く「疫病神」シリーズの白眉は、暴力と欲望が渦巻く裏社会で、桑原と二宮が繰り広げる「究極の掛け合い」にあります。安堂維子里の筆致は、その関西弁の軽妙なリズムとヒリつくような殺伐とした空気を鮮やかに可視化し、読者を一気に大阪の闇へと引き摺り込みます。人間の強欲さを滑稽かつ愛おしく描き出す、このハードボイルドの極致は圧巻です。 実写版では俳優陣の熱演による肉体的な躍動感が魅力ですが、活字と画で味わう原作には、映像では零れ落ちるような緻密な心理戦と、金銭への執着が生む凄絶なリアリティが凝縮されています。映像のテンポ感と、紙面から立ち上る濃密な人間の業。その双方が共鳴し合うことで、二人の奇妙な絆はより深く、忘れがたいものとして胸に刻まれるはずです。
実写化・アニメ化された映画やドラマを観て、原作小説ならではの美しい心理描写や、映像化で新たに加えられた解釈・演出との違いを楽しみましょう。
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